池田修三という木版画家

二回めの展覧です。お正月が来ると掛けたくなる作家さんです。

四国ではその名前は最近まであまり知られていなかったのですが、一月_s2012年、秋田県のフリーマガジン『のんびり』で紹介されて、彼とその作品に注目が集まり、2013年秋田で開催された展覧会では県内外から大勢来場するなど、大きな話題を呼びました。また2013年夏に初めての作品集『センチメンタルの青い旗』が出版されるや、全国で展覧会が巡回され、それがきっかけとなって再評価の機運が高まり今また注目をあびています。

池田修三は秋田県の象潟(きさかた)出身、秋田の銀行のカレンダーや通帳にも使われた作品も今回展示しています。モノクロ主体からカラフルでポップな童画風なものに変容していきますが、作品の根底を流れるどこか哀愁を帯びた作風は最後まで変わりませんでした。色を出すのが難しい多色摺りで、何十色という色の表現をしている高度な技術や芸術性がどの作品からも伝わってきます。郷土秋田の人に今なお愛され続けている池田修三作品を是非ご高覧していただきたいと思います。きっとあなたもファンになること間違いなしです。